「保険屋」にだまされない方法-元金融機関勤務×FPが徹底解説-

お金

外貨保険を勧められて買ったら元本割れを起こしてしまった。

どう考えても保障内容が無駄に多すぎる保険に加入させられた。

営業マンの口車に乗せられ以前の保険を解約し、他社の保険に加入したら、保険料が上昇した。

「保険」にまつわるトラブルは全国いたるところで起こっています。

保険に限った話ではありませんが、銀行員だったり、保険の販売員といった「プロ」を信用した結果、口車に乗せられ損をしてしまうということがあり得るのです。

「自分は大丈夫」

このような思い込みは危険です。自分が巻き込まれなくとも、家族や友人といった身近な方が巻き込まれる可能性もあります。

私は元金融機関勤務、FPです。過去に自分自身で保険を売ったこともあります。

今回はどうすれば「保険屋」に騙されずにすむかという、テーマでお伝えしていきたいと思います。

結論は以下、5つです。

これらを知っておくだけで「保険屋」の口車に乗せられるのをだいぶ、回避できます。

そもそも生命保険に加入する必要があるのか?-高額療養費制度の活用-

毎日、生命保険のCMを目にします。

「保険料が加入時からずっと変わらない!」と商品の魅力を直接伝えるものもあれば、一方で某大手生命保険会社のCMのように、商品の説明は一切せずに、どこか「温かみ」のあるイメージを伝えてくるCMもあります。

CMをみていると、「一家に一台!」と言わんばかりに生命保険に加入することが当たり前のように思えてきます。

ただ、一つ、絶対に知っておいたほうがよい制度があります。

「高額療養費制度」です。

実際に大きなケガや病気をされた場合、この制度をご存知の方も多いと思うのですが、名前を聞いたことがない方も相当数いらっしゃると思います。

制度の概要についてはこちら!(厚生労働省)

詳しくは上記リンクをご覧いただきたいのですが、一言でいうと、けがや「ガン」などの重い病気をしてしまったとしても、一定の金額以上は支払わなくてよいという制度になります。

実際の限度額は所得にもよるのですが、ひと月の治療費が約10万を超えた場合には、超えた分の支払いが免除されると思ってください。(適用されるパターンなどもあるので、詳しくは厚生労働省のHPでご確認ください)

したがって、CMが散々訴えかけてくるような「保険に入っておかないと治療費がヤバい!」というのは必ずしも真実ではないのです。

「高額療養費制度があるから、生命保険には加入しない」

と保険の「営業マン」に伝えてみてください。

多くの「営業マン」をそこで断れると思います。

ただ、一部、「高額療養費制度だけでは足りない!」と言ってくる営業マンもおります。

先進医療にかかる費用が負担外

・差額ベッド代(平均1泊6千円程度)が負担外

・入院のタイミングによっては適用されない時がある         

※ひと月のサイクルが1日~31日になる関係で、例えば前月28日~翌月3日まで入院をした場合だと限度額にいかないことがある。仮に限度額がひと月10万円までだとし、前月28日~31日までの金額が9万円、翌月1日~3日までが8万円であったとした場合、トータルの合計額が17万円かかっているものの、この場合だと高額療養費制度は使えない)

想定されるのは以上3つです。

実際に先進医療を受ける確率、差額ベッド代(平均だと1日約6千円)が生じる確率、入院のタイミングが月をまたぐ確率、それぞれが起こる確率を考えたうえで、保険に加入するか否かを検討していただければと思います。

当たり前の話なのですが、基本、保険会社が儲かるように生命保険を設計しています。

営業マンのセールストークでどれだけ魅力的にその商品が思えたとしても、このことだけは覚えておいてください。

加入済みの保険が「全期型(積立タイプ)」の場合、乗換すると「損」をする

生命保険には主に2種類タイプがあり、「更新型(掛け捨てタイプ)」と「全期型(積立)」とに分けられます。

※「全期型」でも一部の商品には積立部分がない商品もありますが、多くは上記2種類になります。

「更新型(掛け捨てタイプ)」の保険だと毎月の保険料は「掛け捨て」になります。途中で解約をしても保険料は返ってきません。

一方で保険に貯蓄の機能を担わせていない分、毎月の保険料は「全期型(積立)」と比較し、安い場合が多いです。

また「更新型」は更新のたびに保険料が上がる仕組みになっており、更新は基本、10年更新が多いので、加入時から10年後に更新する際に保険料が上がります。

一方、「全期型(あるいは終身タイプともいいます)」の場合、毎月の保険料は一部、「積立」されます。すなわち、毎月支払っている保険料の一部が積立されており、解約時に一定の保険料が返ってくるタイプになります。

ただし、「積立」の分も含まれている関係で保険料は「全期型(掛け捨て)」と比べ高くなります。

また「全期型」は加入時から保険料がずっと変わりません。

以上、ここまでの話をきいて、「更新型」および「全期型」のどちらのタイプが優れていると思われたでしょうか。

支払った保険料が無駄にならないのと、かつ、加入時から保険料が上がらない「全期型」が優れていると思われた方が多いと思います。

ただ、「全期型」の注意点として絶対に忘れてはならないのが、途中で解約をすると支払った保険料より少ない金額しか返ってこないという点です。

すなわち「損」をするケースがかなり多いです。

したがって、もし現在加入されている保険が「全期型」の場合、営業マンから何を言われようが、一般的には解約をすると損をするということを絶対に覚えておいてください。

一見、「更新型」のほうが更新時に保険料が上がるのでデメリットに感じる方が多いのですが、更新時に不要になった保障を外したり、減額をすることができます。なおかつ、貯蓄機能を担わせていないので、不要になれば気兼ねなく、いつでも解約が可能です。

「更新型(掛け捨て)」および「全期型(積立)」には一長一短のメリット・デメリットがあります。

もし現在、加入している保険が「全期型(積立)」であれば、営業マンがよっぽど優れた提案をしてこない限りは断ったほうがいいです。繰り返しになりますが、途中で解約をすると損をします。

一方、現在、加入している保険が「更新型(掛け捨て)」であれば、加入済みの保険よりも、保険料が安く、かつ内容もいい場合もあり得るので一度、見直しを検討されることをおススメします。

【初心者向け】資産運用を絶対したくない人の節約術(生命保険ver.)

触らぬ神に祟りなし-分からないものには手を出さない-

「触らぬ神に祟りなし」、自分がよく理解できないものには手を出さないほうがいいです。

これは何も生命保険に限った話ではありません。

不動産投資、先物取引、外貨建て保険など、一般人が手を出すと火傷してしまうような商品が数多くあります。

どう考えても相手(営業マン)のほうが自分よりも情報を持っている場合には、下手に近づかないのが無難です。

生保の「営業マン」は絶対に保険を売らなきゃいけない

一部の会社では生保の営業マンが男性である場合もありますが、ほとんどの場合、女性です。

いわゆる「保険のおばちゃん」です。

一度、セールスを受けたことがある方はお分かりだと思いますが、勧誘方法がかなり強烈です。

だからこそ、自己紹介で保険会社で働いていることを伝えるだけで、「自分も売られるのでは・・・」と初対面の相手が身構えてしまう方が多いのだと思います。

ただ、販売が強烈になる理由、もう少し適切な言い方をすると、ならざるを得ない理由があるのです。

それは、ほとんどの場合、保険の販売員の給料の大部分が「成果給」を占めているからです。

つまり、一般の営業職にあるような、「ノルマが達成できないと怒られる」というような生半可なプレッシャーではなく、「販売できないと、給料が大きく下がる」という強力なプレッシャーがかかっているのです。

別にこれは生命保険に限った話ではありませんが、営業マンの口車に乗せられ、老後の大切な退職金を投資に使い、大損をこいたという話を時々、耳にします。

「最終的に判断をしたのは自分なのだから、自己責任だ!」という声もある一方、「情報格差を利用し、老人をカモるのはひどい」という声もあります。

少なくとも私は自己責任の一言で済ますことに、大きな違和感を覚えます。

老後の不安をあおり、リスキーな投資商品を買わせる。あり得ないです。

ただ、かといって販売員を批難するのもどうかと思います。

批難されるべきなのは、そのような販売手法を取らざるを得ないような給与体系を取っている会社が悪いです。

強烈なプレッシャーに置かれている以上、あの手この手で営業をかけてきます。

「人」を介在すると「カモられる」リスク、および「(保険の場合)保険料をぼったくられる」リスクに常にさらされます。

「保険」や「投資信託」を購入される場合には、自分の親戚や家族といった信頼できる身近な人に相談し、最終的には「インターネット」で購入することをおススメいたします。

「販売員」が金融商品のプロだからといって、決して安易に信用しないほうがいいです。

「金融商品」の「プロ」であると同時に「販売」の「プロ」でもあるので。

投信は怖い。でも保険は安心。という思いこみ

生命保険には死亡保障や医療保障に加え、「学資保険」、「外貨保険」、「年金保険」など、貯金や運用目的の商品があります。

「投資信託」だと何か怪しい感じがするから、「生命保険」で資産運用すれば安心!

全く論理的ではないのですが、このように思われている方が相当数おり、事実、外貨建て保険の販売が開始された後、「元本割れした!」と苦情が急増しました。

「保険」も立派な「金融商品の一つ」です。下手をすると損をします。

金融商品を購入する際に1つ絶対に覚えておいたほうがいいのが、色々な方の意見を聞くことです。

学資保険も年金保険も「何となく大丈夫そう」とイメージがあるかと思いますが、ネットで調べれば「加入するべきではない」という意見がすぐ出てきます。

一つの商品に対して賛否両論があるのであれば、必ず、「賛成派」および「反対派」の意見をそれぞれ確認するようにしてください。かつ、一人の意見を鵜呑みにするのではなく、複数の意見を調べてみてください。

そうすれば、金融商品にカモられるリスクをだいぶ減らせると思います。

まとめ:「そんなの聞いてない!」では済まされない

家電製品の場合、不用品を購入させられたとしても返品は可能です。

なぜなら、使えばその商品が「壊れているか否か」がわりとすぐに判明する時が多いからです。

では一方、生命保険の場合、「壊れている」あるいは「不用品」であると判断できるタイミングはいつでしょうか?

生命保険は家電製品と異なり、目には見えません。契約書という名の紙切れ1枚に成立している「目に見えない商品」です。

かつ、保険が「役に立つ」タイミングはいつでしょうか?

ケガした時や、病気になったときです。

ほとんどの場合、保険が「役に立つ」、別の言い方をすればその商品を使うタイミングは加入してからだいぶ先になります。

つまりは、生命保険というのは「壊れているか否か」が一般の商品と異なり、分かりづらく、実際に「役に立つ」タイミングは契約を結んでからだいぶ後になるのです。

だからこそ、契約を結んだ当初、ガンになったら保険金が支払われると言われたのに、払われないじゃないか!

とか、

契約を結んだ当初、元本割れのリスクなど言われてなかった!

とクレームがいまだに絶えないのです。

「そんなの聞いてない!」とか「知らなかった!」

と言いたくなる気持ちは私自身、本当に良く分かります。

ただ、この言葉はすべての問題を解決してくれる魔法の言葉ではありません。

一般消費者が守られる世の中になりつつあるのですが、金融商品の場合、いまだにトラブルがあとを絶ちません。

自分自身を助けてくれるのは、「知識」です。

今の世のなか、YouTubeやGoogleを調べればすぐに色々な情報を入手できます。

営業をかけられてもすぐには絶対に購入しない。自分で一通り、調べてから判断をするというのをくせづけるようにすれば「カモられる」リスクは軽減します。

自分の身は自分で守らなくてはいけない。

「生命保険」との付き合い方を今一度、お考えいただくきっかけになれれば幸いです。



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